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散文

碧色天鵞絨

人混みを何も知らないような顔をして歩く。 まっすぐ前を見据えて揺らがぬように、踵を踏み出す。 純粋になりたい。 こんな街の汚い何かに穢される事のない純粋なものになりたい。 街を歩く。 人目なんて気にしない。 歌いながら歩く。 私は純粋になりたい。…

君のいない街

君のいない街にぼくはひとりで今も変わらぬ日々を暮らしていて、ただ違うのはひとりぽっちで膝を抱えているということ。 君が隠していた闇も手の中に包み込んでしまいたいのに、それはもう叶わないと知っている。 いままで言えなかった「ごめんね」と「あり…

テキストサイトだったころの私

お友達の書いていたブログを読んでふと思い出した。coolでtokyo取れると嬉しいとか、右クリック禁止してみたりだとか背景色と同じ色のリンクを隠して入り口探させたりとか。 ……まぁ、この辺りでどういうサイトをやっていたか、察しのつく方も大勢いらっしゃ…

6:13

陽射しの届く少し前、響くアルペジオ。 あなたと出会った理由を教えてくれるように、その音はひたすらに優しく二人を埋めた。 出会ってもうどれだけの夜を二人乗り越えてきただろう。 朝が来る前に夜からそっと抜け出した日もあった。 悲しみ、喜び、分かち…

陽炎

何もかも受け入れそれを真実だと思っていた時を過ぎ、 世界は広く、到底理解できるものではないと知った時、だたそこに陽炎が揺らめいて。 狭い世界のなか生きてきた人間は時が経つと急に広い世界へと放り出される。 広い世界への知識も何もない。 ただ、放…

ゆめ、ゆめ、ゆめ?

走る、走る、走る。 現実とも夢ともつかない世界をただひたすらに走る。 そこには舗装されていない濡れた泥の道が続いている。 足は何度もその泥に絡め取られ、脛には跳ね上げ濡れた泥がこびりついていく感覚がある。 思うように前へ進めない。 けれど走る、…