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6:13

散文

陽射しの届く少し前、響くアルペジオ

あなたと出会った理由を教えてくれるように、その音はひたすらに優しく二人を埋めた。
出会ってもうどれだけの夜を二人乗り越えてきただろう。
朝が来る前に夜からそっと抜け出した日もあった。
悲しみ、喜び、分かち合う想い。
ふと思うこの出会いの意味。
きっと出会えたことが全てで、それだけでいいのだと。
二人なぐさめあう夕方、夢のようにきらめいた夏のしぶき。
同じ季節は二度と巡ってこない。
次のその季節、一緒に居るかどうかも定かではない、何の約束もない関係。それが互いに心地よいのだと、そう思うことで。
わたしはあなたの所で愛を紡ぎたいといつしか思うようになった。
あなたの言葉に触れるたび、わたしの世界は眩しくなって、一つ一つの言葉がわたしの季節に色をつけた。
二度とはない、同じ時間なんて。
そんな夜を繰り返してあなたとどこへ向かいたいのか。
あなたの体温が分かる距離にずっと居たいと願うわたしのわがまま。
あなたの求めるものをわたしは持っているかしら、差し出せるのかしら。
あなたはわたしに様々なことを教えてくれた。
それまで何も信じることの出来なかったわたしもあなたの事を信じてから、この世界を信じられるようになった。
夜の高速道路、絶え間なく流れるテールランプの光。昼の公園、水に当たって跳ね返る流れる光。
あなたの見せてくれた輝くものたち、わたしは両手に抱えきれないほど持っていて、あなたの両手が空になってしまっていないか心配する。
夢ならどうか覚めないで。
ねぇ、わたし気づいたわ、あなたの事を愛してい